宇根・真謝
うね・まじゃ
家並みは緑の中に
久米島きってのフクギの屋敷林が見られるのが宇根・真謝地域です。道路の中央分離帯として植えられたチュラフクギ(美しいフクギ)が観光名所になっているほか、路地裏の緑も見ごたえがありました。 |
【1】宇根・真謝地域は久米島一、フクギの屋敷林が濃い地域。フクギは根元近くから枝葉を茂らせるため、集落が森に飲み込まれているかのように見えます。 |
久米島の北東部にある宇根と真謝は、いずれも近世の地頭代(間切といわれた行政区の代官)を多く輩出した集落で、歴史ある旧家がたくさん見られます。フクギの屋敷林も発達し、真謝のフクギの地被率は、久米島最高の54.3パーセントにもなります。 |
フクギの集落景観(真謝) |
真謝のチュラフクギ |
真謝のフクギを象徴するのがチュラフクギです。「美しいフクギ」という意味で、乾隆21(1756)年に屋敷林として植えられました。その後、道路拡張によって伐採が計画されましたが、関係者の尽力によって守られ、いまも長さ40メートルにわたって堂々たる姿を見せています。 |
仲原家住宅は大正・昭和期の教育者で沖縄研究家の仲原善忠を輩出した家。現在の建物は1960(昭和35)年に再建されたものですが、丸木のまま利用している雨端(あまはじ)の柱や琉球瓦など、伝統的な沖縄建築の特徴をよく残しています。 |
仲原家住宅(真謝) |
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伝統的な家(宇根) |
沖縄ではフクギに限らず、亜熱帯性の植物をさまざまに利用してきました。ビロウ(クバ)の葉は編んで笠や蓑にしましたし、ブッソウゲ(ハイビスカス)の葉は肥料になりました。ソテツは有毒植物ですが、毒素を取り除けば食用になります。干ばつなどで主食のイモが収穫できないときは非常食となり、いくつかの家では庭木として植えていました。そのひとつ、「宇根の大ソテツ」と称される喜久村家のソテツは樹齢250年以上あり、地域の観光名所になっています。 |
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フクギに覆われた路地裏(宇根) |
集落景観(宇根) |
2014年7月3日撮影 |