慶留間
げるま

離島の景観

慶良間(けらま)諸島の慶留間島は人口およそ60人の島。集落は島の南端にひとつだけ存在します。そこには赤瓦とサンゴ石垣の風景が残されていました。

【1】沖縄の集落でおなじみ、屋敷林を形成するフクギが枝葉を茂らせています。
【2】慶留間は慶良間諸島で最も伝統的な景観を残す集落。赤瓦の家もたくさんあります。これは重要文化財の旧高良家住宅。
【3】篠竹の生垣と草屋根の小屋が見え、テンションがあがりましたが、当地の旅館が最近つくったもので、歴史的なものではないと聞きました。

ホエールウオッチングとダイビングの名所として、多くの観光客を集める慶良間諸島。有人島は座間味、阿嘉、慶留間の3つで、このうち前2者には民宿やマリンスポーツ店が連なってレジャーアイランド然としています。対照的に慶留間はほとんど開発されておらず、昔ながらの風景を残しています。


慶留間の路地

丁字路には魔よけの石敢當がある

集落内には小中学校があり、教員宿舎や村営団地など鉄筋コンクリート造りのビルも目立ちますが、細路地には赤瓦の古い家が点在しています。今回の訪問で、木造寄棟の古い住宅は11棟確認できました。
また、道路が区画整備されていないのも特徴。琉球国が碁盤目状の集落を奨励した18世紀よりも古い地割を残しているのだと思います。


トタンで葺き直されたり、瓦をペンキで固定した家も多い


外地(ふかち)展望台から見た慶留間集落


旧高良家住宅

慶留間集落でいちばんの見所が重要文化財の高良家住宅。琉球国の交易船の船頭を務めた仲村渠親雲上(なかんだかりぺーちん)が、19世紀後期に建造しました。切妻の玄関や切石積みの石垣など、他の家とは異なる風格をそなえています。かつては首里や清へ向かう船が、この小さな集落に停泊したのでしょうね。

旧高良家住宅


【住所】沖縄県島尻郡座間味村慶留間
【公開施設】高良家住宅

2014年7月2日撮


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