戸川
とがわ
木の主屋と石の蔵
日之影川の谷にある戸川は、戸数7戸の小集落。棚田の石組みが卓越した「石垣の村」として知られ、点在する石蔵が日本離れした風景を見せてくれます。 |
【1】集落は棚田に囲まれています。訪れた5月初旬は田植え前でした。 |
戸川はアクセスのしづらい秘境にありながら、日之影町の観光協会でも「石垣の村」として紹介される集落で、観光施設の「石垣茶屋」まで建てられています。当地の景観がいつごろ形成されたのかは定かではありませんが、大正末期の七折用水の開通にともなって石垣の棚田が造成されたと考えられています。 |
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戸川の石垣 |
当地は江戸時代から石工の里として知られていたようで、安政2(1855)年の安政江戸地震後には、当地の石工2名が江戸城の石垣修復に携わっています。このため宅地造成のための石垣などは、幕末にはつくられていたと考えられています。古い石垣は大小の石を乱積みにしており、左写真のように非常に大きな石も使われています。ちなみに緑色のノートはA5版です。 |
主屋は入母屋造り、平入りで屋敷地の中央に建ち、その片側に、主屋に直交するように付属屋を建てています。これは整地した限りある土地を有効活用するためなのかもしれません。 |
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石垣の上に石蔵が並ぶ |
この集落で石垣とともに卓越するのが石蔵です。切石を積み上げた2層の蔵を道路沿いに建てるのですが、見上げるほどの高さの石垣の上に建っていて、日本離れした光景を見ることができました。なお、集落の南側の数戸はコンクリートづくりの蔵をもち、表面に青い釉薬を塗ったタイルを張っていました。 |
石垣の集落景観 |
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