日向
ひなた
傾斜地ならではの景観
天岩戸(あまのいわと)神社から北へ7キロ、上岩戸地区の最も奥にあるのが日向集落です。棚田や石垣など、傾斜地ならではの景観が広がっています。 |
【1】平入りの主屋と付属屋を並べるのは、宮崎県北部の山間部に典型的な配置です。 |
大分県から尾平(おびら)峠を越えて宮崎県に入り、最初に出合う集落が上岩戸の日向です。偶然通りがかったのですが、見事な棚田と石垣の景観が広がっていたため、思わず車を停めて散策しました。 |
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下層を半地下空間とした付属屋 |
ここでは平入りの主屋と付属屋を並べて建てる家が多く見られます。屋敷地は石垣を組み上げて整地しており、この石垣上に懸造り(かけづくり)のように付属屋を建てた家が目立ちました。下層は石垣に囲まれた半地下空間となっているようで、急峻な谷あいの地形が生んだ独特の建築物だと思います。 |
この建物は半地下部分を合わせ3層になっているようだ |
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棚田は集落内にも広がっていますが、なんと現在ではビニールハウスが建ち並んでいました。棚田にビニールハウスとは、なんともシュールな光景ですね。 | |
等高線に沿って家屋を並べる |
尾平峠越えの道は歴史も古く、江戸時代には番所が置かれていました。ここを通る商品には手数料として銀貨の支払いが義務づけられていたようです。峠の北、大分県側の尾平には戦国期にさかのぼる錫鉱山があります。尾平峠の1本東の谷筋である木浦(大分県佐伯市)にも鉱山がありましたが、宮崎側には採鉱地はなかったのでしょうか……? |
日向地区、西の内集落の全景 |
板張りの古民家 |