竹田
たけた

箱庭的城下町

竹田は山深い奥豊後にある古い町並み。狭い窪地に碁盤目状の道を引いた、城下町の町割をよくとどめています。

【1】旧市街の南東にある殿町通り。かつての武家屋敷町です。
【2】土壁は上が広がった「ろうそく型」。竹田や津和野(島根県)など、現存遺構の少ない様式です。
【3】背後に小山があります。竹田は四周を小高い丘に囲まれた、東西・南北ともに500メートルほどの窪地に位置しています。


竹田の町並み

竹田は岡藩の初代藩主・中川秀成が築いた城下町。岡城から西へ1キロほど離れた場所にあり、川と山に囲まれたわずかな平坦地に形成されています。秀成が築いた碁盤目状の街区は現在もそのままに残り、数多くの歴史的建造物が現存しています。

旧市街の南東、丘陵地に沿って弧を描く道が武家町の殿町通りです。江戸中期の絵図には13軒の武家屋敷が描かれていたといい、いまでも複数の武家門を見ることができます。
現存遺構で注目されるのが古田家長屋門。弘化4(1847)年に創建され、明治期に養蚕小屋として増築されました。


殿町通り


古田家長屋門

田町通りの喜多屋

広瀬神社の下で殿町通りと交差する田町通りは、かつての町人地。しっくい塗りごめの商家や洋風建築が散見され、古い町並みを形成しています。
この町並みで目をひいたのが喜多屋。平入りと妻入りの建物を並べ、それぞれに破風をこしらえた、特異な姿をしています。岡藩の武家専用の宿だった建物の古材を用い、1879(明治12)年に郵便局として建設されたものだそうです。

田町通りの1本南の上町通りにも古い家が見られます。その中の1軒、但馬屋は文化元(1804)年に創業した、現存する大分県最古の和菓子屋さん。この並びにも古い長屋などが散見されました。


上町通りの町並み


上町通りの但馬屋


【住所】大分県竹田市竹田、竹田町(地図
【公開施設】旧竹田(ちくでん)荘

2015年5月6日撮影


戻る