佐伯
さいき
緑に引かれた白壁の町
九州には保存状態のいい武家町がたくさんあります。毛利氏2万石の城下町だった佐伯もそのひとつ。山裾に白壁の続く武家屋敷通りが残されていました。 |
江戸時代、毛利氏2万石の城下町だった佐伯には、いまも武家町の名残が残されています。佐伯城跡の南東に、武家町に特有の大きな方形の街区が連続する一角があって、そこに白壁や武家門が連なる町並みが見られます。 |
山際通りの町並み |
国木田独歩館 |
佐伯市では武家町の一番山側にある道(山際通り)を「歴史と文学の道」と名付け、観光コースとしています。「文学」とあるのは、明治の文豪・国木田独歩が一時、下宿したことにちなんでおり、当時の建物が「城下町佐伯 国木田独歩館」として保存・公開されています。 |
武家住宅はそれほど現存していない様子でしたが、土塀と武家門が連続する町並みは見ごたえがあり、背後の照葉樹林と調和した美しい景観を見せてくれます。参考資料の『別冊太陽 日本の町並み』には、城下の土塀について「高さが人間的なスケールで(略)開放的な雰囲気がある」とありました。確かに開放的な町並みだと思いましたが、それは土塀の高さではなく、背後に照葉樹林が広がるという立地に起因しているように感じました。 |
土塀や武家門は現存するが、主屋は建て替えられている |
長屋門が残されていた |
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