四間道
しけみち

町家は西に、土蔵は東に

四間道は名古屋城の南西2キロにある商家町。大火後に防火性を意識して整備された計画都市です。

【1】江戸中期としては破格の、幅4間(約7メートル)の道。これが四間道の名の由来です。道幅が広いのは防火目的のほか、商業活動を促進する意図もあったためです。
【2】道の東に土蔵が並び、その背後には堀川が流れています。土蔵は石垣の上に建てられています。
【3】道の西には商家が並びます。

名古屋駅から歩いて10分少々のところに、江戸時代にさかのぼる商家町の四間道があります。中京圏初の高さ100メートル超の高層ビル、名古屋国際センターの直下に位置し、「まさかこんなところに」と思わずにはいられない立地です。


四間道の町並み。背後に名古屋国際センター

道幅はおよそ7メートルある

堀川に沿った四間道のあたりは、名古屋城下の整備とともに商人が暮らした場所。水運の便がよく、米や塩、味噌や酒などを扱う商人が集まりました。このあたりは元禄13(1700)年の大火で焼失し、その後は防火性能を高めるため道幅を拡張して再建されました。

四間道で特徴的なのは道幅の広さだけではありません。東側に土蔵、西側に商家と、完全に住み分けがなされている点も珍しく、計画性の高さを物語っています。


土蔵は高さ1メートルほどの石積みの上に建てられている

平入りの商家がよく残されている

四間道の一本西の通りにも古い家並みが残る

古い土蔵の中には飲食店として活用されているものもありますが、商家はほとんどが住居として使われ続けています。アクセス至便な歴史地区でありながら、極端な観光開発がなされていない点に好感がもてます。


東西方向に抜ける小路


江戸期に建てられた中村家の屋根神様


【住所】愛知県名古屋市中村区那古野1丁目、西区那古野1丁目
【公開施設】なし

2014年12月14日撮


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