中山
なかやま

一列に並ぶ長屋門

中山は渥美半島の北西端にある漁村集落。多くの家が主屋と長屋門の2棟建てで、路地に長屋門が連なる独特の景観を見せています。

【1】8軒の長屋門が並ぶ道。圧巻です。
【2】渥美半島の長屋門には門戸がありません。道路からは門越しに主屋が見えます。
【3】この家は新築ですが、主屋と門の2棟建ての伝統は崩していません。土地に限りがある漁村であることに加え、長屋門は通路部分が車庫になるなど、いろいろと好都合なのかもしれません。

渥美半島の民家は主屋と長屋門の2棟で構成されています。長屋門がどのように使われたのかは定かではありませんが、現在の姿を見る限り中は居室で、せり出した下屋を納屋としているようです。


中山の長屋門。前後に下屋を出し、農具や薪を収納する

長屋門の町並み

中山集落は半島の先端部でもとくに規模の大きな集落で、広大な畑地のただなかに肩を寄せ合うように無数の住宅が建てられています。ここは砂地が多い渥美半島にあって、古くから天然の良港をもった漁村として栄えました。間口が広い長屋門は、それぞれの家の家格を誇示するために建てられたのかもしれません。


門の通路はかっこうの駐車場だ


モルタル仕上げの長屋門

中山は住宅密集地であるがゆえに、家を建て直そうにも土地に限度があります。そのため現在でも主屋と長屋門の2棟建ての伝統が生き続けているのかもしれません。


集落の中心にある、煙出しのある旧家

比較的大きな家。敷地内に土蔵も建てる


板張りの古い蔵も多い


【住所】愛知県田原市中山町字成美、字八軒屋、字神明前ほか
【公開施設】なし

2014年12月13日撮影


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