逆川
さかさがわ
石垣組んで板張って
静岡市の南西端、小高い満観峰の中腹にへばりつくようにある山村が逆川です。 |
静岡市、焼津市、藤枝市の市境付近には険しい山並みが続き、東海道きっての難所だった宇津ノ谷峠もここにあります。逆川は連なる山々のひとつ、満観峰の北西にある集落。同名の河川、逆川の最上流に位置しています。 |
逆川の高石垣 |
急斜面に石垣を組んだ集落景観 |
|
逆川は急斜面に開けた集落で、谷底から一気に坂を登る一本道の両側に展開しています。戸数はおよそ20。どの家も石垣の上に建てられ、最も高い場所には茶畑もつくられています。なぜこれほど狭い土地に集落が築かれたのか、とても気になりますが、地名事典にも逆川の項目がなく、詳しいことは分かりませんでした。 | |
集落を歩いて気になったのが、商家のようなつくりの家が多いこと。桁行6〜8間ほどの大きなものが目立ち、出桁(だしげた)造りとしているものもありました。東海道の丸子宿(まりこじゅく)にも近く、こうした工法が早くから広まった土地なのかな、と思いましたが、果たして……? |
ツシ2階建て、出桁造りの家 |
この家も出桁造り |
|
|
また、耕作地が少ないことも気になりました。まとまった畑地は集落を見下ろす高台に茶畑がいくつか見えるだけ。逆川の人たちは生活の拠点を山に求め、林業や製炭業などを営んだのかもしれませんね。 |
土地が狭いせいで、山村にしては各家が近接している |
|
2014年6月1日撮影 |