平野
ひらの

茶畑に茅屋根は浮かぶ

静岡県には歴史的な茶農家が残る集落が散在していますが、茅葺きの茶農家となると数えるほどしかありません。平野にある登録有形文化財の大村家住宅は貴重な1軒で、ちょっとした撮影スポットになっているようです。

【1】集落を取り囲むように、一面茶畑が広がっています。
【2】水は山の中腹から引かれ、集落内を上から下へとうるおしていきます。
【3】何よりも目を引くのがこの茅葺き農家(大村家住宅)。平野で一番の高台にあるため、ここまでくるとほかの家が見えず、まるで茶畑の上にただ1軒浮いているようです。

静岡市街から安倍川をさかのぼること20キロ以上。緑豊かな山村集落の平野に、見事な茅葺き農家の大村家住宅が残されています。建設は江戸時代後期。屋根裏で養蚕をしたため、妻側の屋根を切り上げ、かぶと造りとしているのが特徴です。


大村家住宅。庭も丁寧につくられている

大村家住宅の門

大村家住宅は平野の最奥に位置し、ここまで登ってくるとほかの家は見えません。緑の中にただ1棟、大きなかぶと造りの屋根が存在感を発揮しています。

平野では大村家住宅へ至る道すがら、伝統的な農村風景を見ることができました。道の片側を勢いよく流れる水路、そのところどころに設けられた洗い場。
木造の民家や蔵、手もみ製茶を行った茶部屋。
そして家々の間に設けられた茶畑と石垣。
静岡の原風景ともいうべき、のどかな光景が展開しています。


木造建築が散在する茶農家の景観

洗い場のある家(↑)と、同家付属の板倉(→)。石垣は高さ3メートルほど


土に還りつつある水車小屋(↑)
大村家の蔵(←)。ここの石垣は5メートル近い


【住所】静岡県静岡市葵区平野
【公開施設】なし

2014年6月1日撮


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