新井原
あらいばら
芦川集落物語
―協定が守る石垣景観―
笛吹市南部の芦川沿いには4つの集落が並び、いずれも伝統的な景観を残しています。新井原は石垣の卓越した集落で、地元では石垣協定が締結されています。 |
【1】場所によって10段以上の石垣があり、その上に家や畑がつくられました。 |
バブル期の清里(北杜市)などでのリゾートマンション建設ラッシュを機に、山梨県では古里の景観を守ろうという機運が高まり、1990年に山梨県景観条例が制定されました。条例では市町村や県民、事業者などに景観維持の努力を求め、一定の基準を満たす住民協定が締結された際には「景観形成住民協定」として認定しています。 | |
大小の石を無造作に組む |
新井原では石垣文化住民協定が締結されており、1997年に県の協定に認定されました。県内5カ所(2015年現在)の認定地区のひとつです。芦川の北岸にそびえる十数段の石垣は、明治時代に石工が築いたのが始まりだそうですが、その後も住民の努力によって維持されてきました。(※県に認定されるとどのようなメリットがあるのかは分かりませんでした) |
石垣の上の家 |
前庭へのアプローチの石畳も見事だ |
芦川に多いかぶと造りの家は、集落の西側に集中的に見られます。右は集落で最古級と見られる18世紀前半の家。有力な本家の分家とのことです。下屋のトタン屋根に重しが乗せてありますが、こうした措置は芦川流域でよく見かけました。 | |
移築された茅葺きの家。現在、そば打ちなどの体験施設 |
対照的に集落の東側にはかぶと造りは少なく、切妻造りの素朴な民家や、建て替えられた現代の家が点在していました。 |
石垣の段丘に現代の家が建つ |