三丁町
さんちょうまち
モデルは京都祇園
小浜西組の西の外れにある三丁町は、京都の祇園を模したといわれる花街です。ベンガラ塗りの出格子のお茶屋がずらりと並ぶ光景は、京都や金沢の花街にも負けず情緒的です。 |
小浜西組の西端にある三丁町は、ベンガラ塗りの格子が艶やかな茶屋町。もと猟師町、柳町、寺町という3つの町があり、これが地名の由来といわれています。ここは小浜西組の一部として国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されていますが、丹後街道沿いに町家や寺院が連なる西組にあって独特の町並みを形成しています。 | |
無目の入った出格子。K家住宅 |
三丁町は貞享元(1684)年ごろまでには開発されていたと考えられます。現在も全長200メートルほどの一本道の両側に明治以降の茶屋建築が建ち並び、繊細な格子戸や腰壁の装飾が華やかな印象を与えます。 |
|
|
町並みの北側にある旧料亭酔月は「町並みと食の館」として公開されていますが、そのほかの建物は常時非公開。しかし年に一度、夏に開催される「町家deフェスタ」の日になれば、数棟の茶屋や民家が一般公開されます。 |
|
蓬嶋楼玄関部。床はタイル貼り |
三丁町のシンボルが、町並みのほぼ中央にある蓬嶋楼。明治時代の大規模な茶屋です。表通り側は高さ2メートルを越す高壁に囲まれ、中の様子はうかがえませんが、2階の座敷からは向かいの家並みや遠方の山並みまで見渡すことができます。プライバシーと眺望を両立した、茶屋建築ならではの空間設計ですね。 |
蓬嶋楼。入口上部の庇にむくりがある |
|
蓬嶋楼以外の茶屋は、ほとんどが通りいっぱいに建物を建てています。立ちの高い2階家がずらりと並ぶ町並みは茶屋町ならでは。外観は1階に格子、2階にガラス窓を入れる点で共通していますが、細部の装飾は家ごとに異なり、変化に富んだ町並みを見せています。 |
|
むくり屋根が京風の町並みを演出する |
|
蓬嶋楼座敷 |
|