小浜中組
おばまなかぐみ

中心街に歴史的風致を

小浜駅前から北西へ延びるはまかぜ通りの周辺が、小浜中組と呼ばれるエリア。かつては市内有数の繁華街でしたが、商業施設が撤退し、跡地にぽっかりと穴が開いてしまいました。

【1】商業施設、つばき回廊(1992〜2007年)の跡地。ここに福井県最古の芝居小屋、旭座を移築する計画があります。
【2】旧丹後街道沿いでは古い町家に混じって、歴史的な外観をもって新築された家も目に付きます。
【3】京町家の影響を感じさせる、むくり屋根の町家が並んでいます。


交差点の手前が中組、奥が西組。左に折れると八幡神社

かつて小浜城下には52の町があり、それぞれ東組18町・中組17町・西組17町に分けられていました。中組は、鯖街道の起点である和泉町(東組)と八幡神社(西組)に挟まれた地域で、古くから小浜市の中心市街地として発展してきました。しかし1992年に竣工した再開発ビルのつばき回廊はわずか15年で閉館し、いまではその跡地が町なかに大きな穴を開けています。

小浜市ではつばき回廊の跡地の再整備を検討中で、計画案のひとつに、同じ中組にある旧旭座の移築案があります。旧旭座は1910(明治43)年に建てられた、福井県に現存する最古の芝居小屋。映画館に転用され、廃業後は放置されていましたが、2014年に小浜市の文化財に指定され、保存が決まりました。


旧旭座内部(現在は解体保存中)

旧旭座。懸魚(げぎょ)は朝日のかたち

 

つばき回廊跡の前を通る旧丹後街道には、明治以降に建てられた平入りの町家が軒を連ね、新築の建物も景観に配慮されたたたずまいを見せています。街道に直行する駅前通りのはまかぜ通りにも古い建物が散在。カフェやギャラリーとして再利用されているものも少なくありません。
小浜の中心にぽっかり開いた穴を埋めることで、周辺地域に新たな歴史的風致がつくり出されることを願ってやみません。


栖水館併設のグリーンカフェの梁組み

築150年の町家を使ったギャラリー栖水館(せいすいかん)


大正時代の銀行建築を再利用したカフェあさい


カフェあさい内部


小浜湾近くにある板張りの土蔵


旧旭座近くの町並み


【住所】福井県小浜市小浜竜田、小浜酒井、小浜白鬚、小浜住吉、小浜神田
【地図】トップ写真の撮影地点
【公開施設】なし

2010年5月4日、11年9月24日、13年3月2〜3日撮


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