五太子町
ごたいしちょう

山林に浮かぶ真壁

福井市郊外には真壁造りの上質な木造民家が数多く残っています。沢筋に10軒ほどの家が集まった五太子町でも、そんな家が見られます。

【1】五太子町の民家の特徴が正面の真壁。福井市西部から越前町にかけての山中で広く見られる意匠です。柱と白漆喰のツートンカラーが、山林にくっきりと浮かびあがります。
【2】妻面は全戸が真壁であるのに対し、平面の仕上げはさまざま。この家は大壁造りですが、ほかにも妻面と同じように真壁にしたものや、板張りのものもあります。
【3】蔵は土壁ですが、地面より1.5〜2メートルほどの高さまでを板張りにしたものが多く見られました。

福井市中心街から車で1時間、日本海へ抜ける峠道にあるのが五太子町です。ひと昔前、白装束集団の「パナウェーブ研○所」の本拠地があることでマスコミを賑わせた小集落ですが、そこに真壁造りの立派な民家が残っていることに注意を払った人が、果たしてどれだけいたことでしょうか。


一光(いかり)川に沿って家が点在する

板張りの豪壮な家


土づくりの立派な蔵が多かった


玄関先の太鼓は宗教行事で使うものか

五太子町の家は切妻造りで妻壁に柱と梁の格子模様を入れている点が特徴です。こうした家は越前地方で広く見られますが、谷あいの限られた土地に家が密集する五太子町では、とくにすぐれた集落景観が残されていました。


村外れの白山神社。このあたりには白山信仰の集落が多い


【住所】福井県福井市五太子町
【地図】トップ写真の撮影地点
【公開施設】なし

2012年11月11日撮


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