白米
しろよね

千枚田とともに歩む

白米は日本海に面した棚田「千枚田」のある場所として、つとに知られています。大勢の観光客でごった返す千枚田を見守るように、石垣の集落が静かにたたずんでいました。

【1】日本海に面して、およそ800枚の水田からなる「千枚田」が広がっています。
【2】集落は千枚田の最上部にあります。急傾斜地に展開するため、家の土台を築く石垣が見られます。
【3】収穫した稲を干すための稲木があります。

高低差50メートルの斜面に展開する白米の千枚田。年間50万人が訪れる、奥能登を代表する観光地です。この千枚田とともに歩んできた白米の集落は、棚田よりも高い、海抜60〜70メートルのあたりに広がっています。


見上げる斜面の上に家が建つ


屋敷林のある家

白米集落の特徴は、傾斜地ゆえに石垣で整地していること、吹き付ける潮風から家を守るため、屋敷林を発達させていること、そして外壁が腐食に強い板張りになっていることでしょう。いずれも全国の急傾斜地や漁村集落で共通して見られる特徴です。
集落の最も奥には、石垣の上に長屋をめぐらせた城塞風の家がありました。住民にうかがったところ、この長屋はかつての養鶏場だったそうです。
白米千枚田は、景観の美しさに反して、非常に生産性の低い田んぼでした。土壌は豊かなのですが、1枚1枚の田んぼは小さく、効率が悪いのです。養鶏も営んでいたというお話に、この地での過酷な暮らしを垣間見た気がしました。


かつての養鶏場


白米集落の稲木

この旧養鶏場の近くには、ケヤキの木を支柱にした稲木が組まれています。この稲木も自然の地形に合わせるように上へ下へ、右へ左へと延びゆき、ちょっとした迷路のようでもありました。


【住所】石川県輪島市白米町
【地図】トップ写真の撮影地点
【公開施設】なし

2014年5月4日撮影


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