三井
み い

茅屋根の三態

輪島市南部の三井町は、かつて全国有数の茅葺き密集地帯として知られた場所です。しかし今日、茅屋根の家はわずか数軒になってしまいました。

【1】移築保存された茅葺きの家、「茅葺庵 三井の里」。
【2】原位置で保存された茅葺きの家。
【3】トタンで覆われた茅葺きの家。三井では茅屋根が傷むと、2階部分を改築して瓦に葺き替える家が多いようです。そのためトタンをかぶせ、屋根形を維持した古民家も数えるほどしかありません。

三井町には1992年当時で30棟以上の茅葺き民家が現存し、日本ナショナルトラストが調査を行っています。それから20年あまりが過ぎた2015年現在、茅葺きの家は数棟のみとなってしまいました。


茅葺庵 三井の里

観光施設として公開されているのが小泉漆原にある「茅葺庵 三井の里」。外観を見ると、雨戸の上の欄間に窓が入れられているのが分かります。これは雪囲いをする冬季の採光窓で、日本の雪国に普遍的な意匠です。

今回の三井訪問を前にGoogle Earthでくまなく探しましたが、いまも茅を見せる家は3棟しか見つけられませんでした。そのうちの1棟が移築保存の茅葺庵で、向かいにもう1棟、原位置保存された茅葺きの家がありました。(もう1棟は中川波前にあり、今回は未訪問)。


原位置に残る茅葺きの家


トタンで覆われた茅葺きの家

茅葺きの家は屋根が傷むとトタンで覆われることが多いのですが、三井では屋根を切妻に改築するケースが多いようで、茅屋根の構造を残す家もほとんどありません。
「茅葺きの里」を自認し、調査が行われた三井町ですら、こんな状況です。茅屋根の継承がいかに難しいか、推して知るべしですね。


いまや能登黒瓦の家並みになっていた


切妻の集落景観


【住所】石川県輪島市三井町小泉漆原
【公開施設】茅葺庵 三井の里
【参考資料】
『能登・三井 茅葺き民家調査報告書』財団法人日本ナショナルトラスト、1993年

2015年6月13日撮


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