合鹿
ごうろく
手をつないだ家と蔵
能登半島北部では、主屋と付属屋とを屋根付きの渡り廊下でつないだ民家形式をよく目にします。雪深い土地ならではの工夫なのでしょうか。 |
【1】合鹿集落にはトタンで覆われてこそいるものの、3軒の茅葺き民家が残っています。 |
奥能登の内陸部には良質な古民家が多数残されています。とりわけ、国の重要文化財に指定された民家が3軒もあることは注目に値します(時国家、下時国家、黒丸家)が、古民家が群をなしている集落景観はそれほど残されていません。 |
茅葺き民家が点在する合鹿の集落景観 |
主屋と蔵の連結部 |
これは合鹿に限ったことではないのですが、奥能登地方では主屋と付属屋を屋根付きの渡り廊下でつないだ家を多く見かけます。おそらくは冬期の雪対策と思われますが、話に聞いたところ伝統的な工法ではなく、後代の増築であることがほとんどだそうです。 |
また、付属屋は真壁造りで2階建てのものが多く、これほどしっかりつくりこまれているのも珍しいことと思います。 比較的最近に建て直されたと思われる家にも真壁造りのものが見られました。 |
|
比較的新しい真壁造りの家と石蔵 |
|
能登では珍しい赤瓦の家があった |
ところで合鹿は伝統的な木工職人集団・木地挽(きじひき)の里でした。木地挽とは、木地師と塗師が分業する前の、木地挽きから漆塗りまでを一手に担った人々のこと。これによってつくられた「合鹿椀」は輪島塗の原型になったといわれています。 |
2014年5月4日撮影 |