大平
だいら

白馬に連なる山ふところ

大平は日本海からわずか3キロのところにありながら、山村の色が濃い集落です。大平川沿いの集落としては最も上流にあり、ここから始まる山並みは長野との県境の白馬岳(しろうまだけ)にまで続いています。

【1】向かいの山は新潟県。ここは越中と越後の国境にある集落です。
【2】戸数20ほどの小さな集落内には、平入り2階建ての家屋が見られます。桁行7間以上の大型家屋も数棟ありました。
【3】集落にお寺はありません。ご先祖は各家の主屋の脇に祀られています。
【4】戦没者を供養する円柱型の石造物も建てられていました。

大平は新潟県との県境をなす大平川の河岸段丘上にある農村で、集落は大平川と上路(あげろ)川の合流点付近にあります。わずかな平地に肩を寄せ合うように20戸ほどの家が建ち、その間に耕地が広がっていました。


山間集落ではあるが、商家と見まごう大型農家がたくさんあった

どの家も立派。山岳信仰と関係あり?

大平の民家に関しては資料が見あたらず、詳しいことは分かりませんが、山間部の農村にしては非常に立派な建物が多く見られました。ある種、山間部の門前町のような印象を受けましたが、集落の人に聞いても、この先に大きな寺社や信仰の対象となる山はないとのことでした。
大平のふもとには越中・越後の国境の関所が置かれた境集落があります。国防上の拠点に近いという立地も関係しているのかもしれませんね。


集落内に2基あった柱状石造物のひとつ。「大正十五年建之」の字が見える
 

最も奥にある神社


【住所】富山県下新川郡朝日町大平
【地図】トップ写真の撮影地点
【公開施設】なし
【参考資料】
『角川日本地名大辞典(16)富山県』角川書店、1979年

2014年5月2日撮影


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