原市
はらいち
市場集落のかたち
原市はその名の通り市が開かれた町。街道沿いの家々には、江戸時代に露店が立った前庭が残されています。 |
【1】間口12間もの長大な長屋門は、原市の名主・矢部家住宅の門です。 |
原市は江戸時代、隣村の原村(吉野原村)の市が立った場所で、そのことから「原市」「原宿」などと呼ばれるようになりました。地区内には北西から南東へ、ほぼ一直線に県道5号線が貫通していて、それと並行して旧道が走っています。この旧道沿いがかつての市場集落です。 |
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かつての造り酒屋、田中屋酒店 |
原市の町並みは、家と道路の間に幅5メートルほどの空間をもつのが特徴。「広庭」と呼ばれ、江戸時代にはここに露店が立ちました。 |
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たくさんの土蔵を建てるM家住宅 |
原市の賑わいは明治時代、上尾駅が誕生し、その周辺に中心市街地が形成されたことで失われました。かつて市が立った広庭は、そのままのかたちで残された場所もありますが、ほとんどは家の前庭として塀や生垣で取り込まれてしまいました。 |
広庭を前庭とした土蔵造りの家 |
矢部家長屋門 |
この町並みで目をひくのが間口12間もある矢部家の長屋門です。同家は原市の名主を務めた旧家。長屋門は部分的に増築されていますが、広庭ともども良好に保存されていました。 |
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昔のままに広庭を残す商家 |
2014年4月2日撮影 |