横川
よこかわ

山ふところの旅館街

会津西街道で栃木最後の宿場が横川です。福島県との県境まで2キロ弱、山王峠を控えたかつての宿場には、豪壮な旅館建築が残っていました。

【1】街道に沿って妻入りの家が並びます。大内宿など会津地方の宿場町を連想させる光景です。
【2】各家の前には幅5メートルほどの空き地があります。宿場時代には牛馬をつなぎとめたのでしょうか。
【3】「福田屋」の屋号を掲げる木造2階の旅館建築。すでに営業はしていませんが、保存状態は良好です。

日光街道今市宿と会津若松を結ぶ会津西街道には、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている大内宿(福島県下郷町)という第一級の宿場町が残されていますが、ここ横川も往時の風情を色濃く残しています。拡幅された国道121号線から旧道に入ると、途中で90度折れる300メートルほどの道沿いに古い町並みが見られます。


横川宿は山王峠に近い山中にある

見事な出桁造りの福田屋

横川宿には平屋建ての古民家が妻入りで並んでいますが、ところどころに平入りの大型建築が建っています。そのひとつ「福田屋」は出桁(だしげた)造りの2階建て。2階に欄干をそなえた本格的な旅館建築です。


福田屋。入母屋・妻入りの町並みで寄棟の大屋根が目立つ

「福田屋」の向かいにある入母屋造り、平入りの家は、建ちが高いので寺院建築のような印象を受けましたが、表には「ゑびすや渡部旅館」と読める表札が掲げられていました。横川はいまなお宿場町時代の面影を色濃く残しているのですね。


ゑびすや渡部旅館


切妻の古民家が並ぶ


村外れに倉が集められていた


【住所】栃木県日光市横川
【公開施設】なし

2013年5月25日撮


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