下平
しもだいら

古道に寄り添う

関街道に沿って古い町並みが残る伊王野中心部からおよそ3キロ。のどかな田園地帯の広がる下平に、昔のままの里の風景が残っています。

【1】山林と田畑に囲まれたのどかな風景の中を、古代以来の関街道が走っています。
【2】下平の景観を印象づけるのが豪壮な門。屋敷は斜面をならすため石垣で基礎を築いていますが、それによって門は見上げる高さにそびえ、武家屋敷か寺院であるかのような印象を与えます。
【3】それぞれの家には置き屋根の古い土蔵が建てられています。

江戸時代の奥州街道は23番目の宿場、鍋掛宿を出て那珂川を渡ると左折し、越堀宿を通って白河へ向かいますが、川端で右折すると古代の東山道(関街道)に入ります。関街道は古代の白河関に通じる道で、その道中に下平集落が存在します。


下平集落の景観

置き屋根の土蔵

下平は重要文化財の三森家住宅見学の折、訪問しました。戸数10戸ほどの小さな集落でありながら昔のままの風景が残され、置き屋根の土蔵も各家に現存していました。


重要文化財、三森家住宅の主屋と長屋門

下平集落で特徴的だと思ったのが、3軒の家に残されている門です。右写真の薬医門は寺院と見まごうほどの風格をそなえていますが、その迫力を演出しているのが骨太の柱と棟木でしょう。このあたりでは古くから木工業が卓越していたのかもしれませんね。


下平の農家の四脚門。棟木は幅40センチはありそうだ

四脚門のある家の主屋


集落の西の入口にある農家の長屋門


【住所】栃木県那須郡那須町伊王野
【公開施設】三森家住宅

2014年10月11日撮


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