大木須
おおぎす
実用を兼ねたシンボル
八溝(やみぞ)山地は関東地方屈指の古集落の宝庫。栃木県最東端の大木須集落には、せいがい造りの豪華な長屋門を構えた農家が見られます。 |
【1】大木須には家格を示す長屋門をもつ家が多く、通路部分を二重、三重のせいがい造りにした豪壮な門も見られます。 |
大木須は那須烏山市の最東端にある、周囲を八溝山地の山林に囲まれた集落です。南流する木須川(那珂川の支流)に沿っておよそ5キロにわたって散村的に集落や農家が点在し、古い長屋門や板倉、石蔵などが現存しています。 |
大木須の集落景観 |
山あいの土地に長屋門が点在する |
参考資料の「八溝山麓の伝統的木造家屋群 栃木県那須烏山市大木須地区の長屋門」(2012年)によると、栃木県は長屋門をもつ農家の比率が高い地域だそうで、那須烏山市内に81棟、うち大木須に12棟が現存しているそうです。大木須の長屋門の中には江戸時代中期にさかのぼるものもあり、多くは家格を示すために建造されたといいます。 |
しかし実際のところ、大木須の長屋門は、すべてが葉たばこの乾燥・収納空間としても使われていました。 |
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大木須でも規模の大きなN家長屋門 |
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三段のせいがい造りになっている |
大木須の長屋門の軒まわりは、みな出桁(だしげた)造りになっています。しかも中央の通路部分は二重、三重に桁をせり出し、非常に重厚なつくりになっているのが印象的でした。 |
門の周囲にははさ掛け用の木組みが組まれていた |
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歴史のありそうな主屋。軒下は出桁造りで、玄関部分は三重だ |
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2013年10月13日撮影 |