界
さかい
中門造りは水に映えて
伊南郷(いなごう)と伊北郷(いほうごう)の境界だったという界には、南会津最多の15棟もの中門造りが残されています。 |
【1】界の中門造りは、屋根がトタンに替わっていることに加え、外壁にも改装の手が加えられています。しかしこの家は比較的保存状態がよく、昔のままに真壁をあらわにしています。 |
東へ、西へと大きく進路を変えて流れる奥会津の母なる川、伊南川。河岸段丘がなく、両岸には広大な平野が広がり、そこに数々の集落や耕作地が営まれてきました。 |
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屋根を切り上げて2階建てに改築したと思われる家 |
南会津は、L字型平面の中門造りと呼ばれる農家が多い土地。中でも茅葺きの家が多く残る前沢集落は、国の重要伝統的建造物群保存地区にも選定されています。 |
界ではすべての家がトタンで修復され、茅屋根の民家は現存しません。それでも、これだけの数の中門造りが残っていることは特筆に価します。また、山村である前沢に比べ、界は街道集落であるため、道に沿って中門造りの大型農家が点在し、独特の風景をつくりあげています。 |
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中門造りを改装した花泉酒造 |
界ではそれぞれの家に池がつくられています。冬に雪を捨てる消雪池かと思いましたが、鯉を放している池もあったので、防火水槽なのかもしれません。 |
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これほど大きな池もあった |
2013年6月9日撮影 |