小田付
おたづき
三色の町並み
小荒井(ふれあい通り)とともに、喜多方屈指の蔵の町として知られる小田付ですが、家並みの様子は両者で微妙に異なっています。その違いを探しながら歩くのも楽しいでしょう。 |
【1】小荒井の蔵造りは、2階の窓に扉をもつものは少数派。対してここ小田付では、ほとんどすべての家に観音開きの土戸が付けられています。 |
喜多方の中心街には2つの歴史的な町並みが残っています。 |
|
小原酒造の並びにある大森家住宅 |
小田付は米沢街道筋の町として発展しましたが、もともとの喜多方の中心街は小荒井で、戦国時代の永禄7(1564)年には小荒井で定期市が開かれるようになりました。 |
蔵造りの家は江戸時代から建てられていましたが、普及するきっかけとなったのが1880(明治13)年の小荒井大火。このとき蔵の耐火性能が実証され、多くの家が蔵造りで建て直されたのです。 |
独特の腰壁意匠をもつ金忠の蔵 |
裏通りにも蔵が建ち並んでいた |
|
大善の巨大な蔵の連なり |
小田付の象徴といえるのが屋号を「大善」という矢部家。蔵座敷は1897(明治30)年ごろの竣工です。主屋は洋風に改築されましたが、不思議と町並みになじんでいるように感じるのはわたしだけでしょうか。 |
喜多方の名家「大善」 |
|
喜多方は歴史が古く、意匠もすぐれた蔵造りの家がたくさん残っているのに、国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)には選定されていません。実は1970年代末、小田付ほか小荒井、杉山、三津谷の各地区で重伝建選定に向けた動きがあったのですが、結局は選定されませんでした。 |
2013年6月3日撮影 |