大新田
おおにた

茅屋根の中門造り

大新田は江戸時代の新田開発に起源をもつ集落。会津地方に特有の、L字平面をした中門造りの家々が残されています。

【1】大新田には中門造りが7棟残り、うち3棟が茅葺きです。茅葺きの残存数でみれば、南会津町においては前沢、水引に次ぐ数です。この家は北側に小さな突出部をもち、上から見ると《└┐》のかたちをしています。(下写真参照)
【2】主屋に向き合う納屋も茅葺きです。
【3】蔵の屋根は会津地方でよく見る二重構造です。茅がストックされているので、この家の茅屋根はしばらく安泰のようですね。

大新田は界(さかい)と同じく、伊南(いな)川沿いの平野に開けた集落です。ここには中門造りの家が7棟残り、そのうち3棟が立派な茅屋根を見せています。わずか3棟と思うなかれ。中門造りの宝庫たる南会津町でも、いまやほとんどの家がトタンで覆われ、茅のままの家は各集落に1棟あるかないかという状況です。
茅屋根の残存数でいえば、大新田は前沢(10棟)、水引(7棟)に次ぎ、南会津町では第3位となっています。


右端に突出部がある。こうした突出部は「出べそ」と呼ぶ


集落の外れに建つ茅葺き屋根の中門造り


裏通りに蔵が連なる


トタンに葺き替えられた中門造りは4棟あった


中門造り以外にも大きな農家が多い


【住所】福島県南会津郡南会津町大新田

【公開施設】なし
【参考資料】
『前沢曲家集落保存対策調査報告書』福島県南会津町、2010年

2013年6月9日撮影


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