楢下
ならげ
北の石橋集落
上山市郊外の楢下は羽州街道の宿場だった町。江戸期にさかのぼる茅葺きの古民家と、金山川を越える石造のめがね橋が、独特の町並みを構成しています。 |
日本の宿場町はふつう直線道路に開かれましたが、楢下宿は例外。羽州街道は当地でコの字型に折れ曲がり、金山川の東西両岸にまたがっています。 |
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楢下宿は宿場の途中で2度、金山川を渡りますが、そこに石橋が架けられています。「国内で歴史的な石橋を見られる場所といえば九州」という先入観があったものですから、これほど立派な石橋を見られたことに感激しました。 |
2つの橋はもともと木橋で、何度も洪水で流されてきました。そこで耐久性を高めようと、上流の新橋が1880(明治13)年に、下流の覗橋(のぞきばし)がその2年後に、それぞれ石橋に架け替えられました。いずれも単アーチ橋ですが、地元では「めがね橋」と呼ばれています。 |
金山川の河岸に石垣を築く。右奥が覗橋 |
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楢下宿では連続性のある家並みを見ることはできませんが、江戸時代にさかのぼる古い建物が残され、注目に値します。中でも古いのが宝暦9(1759)年に建てられた旧武田家(吉川屋跡)や、これとほぼ同時期の旧栗野家(庄内屋)。いずれも茅葺きの曲がり家で、江戸時代には旅籠を営みました。 |
佐藤家住宅(橋本屋) |
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町並みの最南端には移築保存された脇本陣、旧丹野家(滝沢屋)がそびえます。間口10間もある大型民家で、やはり後方に突出部をもつ曲がり家となっています。 |
旧丹野家(滝沢屋) |
撞木造りの大黒屋 |
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2014年5月16日撮影 |