台町
だいまち
“東の酒田”の栄華をしのぶ
最上川河口の港町、酒田の繁華街として開けたのが台町です。その名の通り小高い丘にある町で、古い料亭建築が建ち並んでいます。 |
【1】台町は高台の町。周囲を坂に囲まれています。 |
酒田は東北にありながら、上方文化の影響が色濃い土地として知られています。これは北前船によって物資のみならず、文化も伝えられたため。言葉はお隣の城下町・鶴岡より上方に近い一面もあり、酒田甚句に「ホンマに酒田はよい港/繁昌じゃおまへんか」という一節があることはよく知られています。 |
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酒田甚句では「毎晩お客はどんどんしゃんしゃん」と、料亭に遊ぶ商人の姿が歌われています。この料亭遊びの舞台こそ台町でした。現存する料亭建築は1894(明治27)年の庄内地震による火災後に再建されたものです。一帯の町並みは1976(昭和51)年の酒田大火でも延焼をまぬかれました。 |
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台町料亭街の顔といえるのが、1895(明治28)年に建てられた山王くらぶ。2階正面の扇形の窓や火灯窓(かとうまど)が目をひきます。1999年に休業後、市に寄贈され、現在では笠福(吊るし飾り)の制作体験などができる観光施設となっています。 |
山王くらぶ |
相馬樓(奥)と香梅咲が並ぶ町並み |
山王くらぶの北の道筋には、同じく廃業後に観光施設として再生された相馬樓と、いまなお現役の料亭・香梅咲(かめざき)が並び、町並みのハイライトとなっています。 |
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山王くらぶの向かいにあるなまこ壁の蔵 |
格子を入れた町家 |
台町では料亭街の周囲にも古い町家が現存し、ベンガラ色の格子などが雅な雰囲気を演出しています。「西の堺、東の酒田」と呼ばれた繁栄の歴史をいまに伝えています。 |
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酒田酒造 |
2015年7月4日撮影 |