浜田
はまだ

風の吹き止まぬ土地で

浜田は秋田藩と津軽藩を結ぶ大間越(おおまごし)街道沿いの街村でした。日本海から絶えず強風が吹く土地だけに、風除けの工夫が見られます。

【1】風除けのため海側に木柵をめぐらせています。こうした柵は津軽ではカッチョと呼びますが、このあたりではとくに呼び名はないそうです。
【2】木柵の内側に、防風用に松を植える家が多いようです。風のせいでしょう、松は山側に幹を向けて生長しています。
【3】柵と松に守られて、家や納屋を並べています。どの家の敷地も短冊状です。

旧八森町は町域の8割以上を山林が占め、耕地は沿岸部にわずかに見られるのみ。道路や鉄道も海岸線に沿って敷設されています。浜田は江戸時代、秋田・津軽両藩を結ぶ主要街道だった大間越街道沿いにある集落で、街道の両側に妻入りの平屋民家が並んでいます。


日本海岸に木柵が続く。左奥の山並みは白神山地

絶えず吹き付ける風のためか、どの松も山側に向かって伸びていた

浜田では近年まで石置き屋根の家が残っていたようですが、訪れたときには見つけられませんでした。その代わり海側に木柵や松の植栽を設け、風除けをつくる家が多く見られました。ここは日本海に面した強風の地であり、家々も風を受け流そうと低くひれ伏し、肩を寄せ合って並んでいます。


屋根材に木材を使っている家があった


大間越街道沿いの町並み

切妻屋根の平屋が並ぶ


付属屋には古い木造のものが散見された


【住所】秋田県山本郡八峰町八森浜田、八森新浜田(地図
【公開施設】なし
【参考資料】
『角川日本地名大辞典(5)秋田県』角川書店、1980年

2013年7月15日撮影


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