八幡崎
やわたざき

尾上名物サワラの道

旧尾上町を代表する風景がサワラの生垣です。市町村合併で平川市となったいまでも、生垣の風景は条例で守られています。

【1】八幡崎は東西に走る県道沿いに家を並べた、細長い集落です。
【2】屋敷と道路を区画するのはサワラの生垣です。
【3】民家は入母屋造りが多く、もとは茅葺きだったと思います。現在、茅屋根のままの家は見あたりませんでした。

津軽にはサワラの生垣が美しい町がたくさんあります。その代表といえるのが、町場では城下町の弘前仲町、郊外の農村では平川市の尾上でしょう。


八幡崎の町並み

せいがい造りの古民家
平川市では、旧尾上町時代の1992年に制定された景観条例を継承し、生垣の保全を推奨しています。条例は「平川市の生け垣を守り育てる条例」といい、「所有者は、保存生け垣の枯損の防止、病害虫の防除等良好な自然環境及び景観の保全に努める(第11条)」、「市長は(略)生け垣推進を図る者に対し、補助金等必要な助成を行うことができる(第12条)」などと定めています。

条例で保全対象とされているのが16地区。これとは別に、とくにすぐれた生垣を「保存生垣」として個別指定もしています。保存生垣は2015年現在で101件ありますが、最も多いのが八幡崎地区で37件を擁しています。


保存生垣には標識がある

生垣だけでなく庭木も美しいが、古民家はさほど多くない
八幡崎は県道117号線に沿った細長い集落です。中世からの歴史をもつと伝えられていますが、本格的に開発されたのは江戸時代に入ってからで、大正以降はリンゴ栽培が普及しました。現在でも県道沿いの街村風景の背後に、広大なリンゴ畑が広がっています。



【住所】青森県平川市八幡崎(地図
【公開施設】なし
【参考資料】
平川市
『角川日本地名大辞典(2)青森県』角川書店、1985年

2016年9月19日撮


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